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ドローンを用いた農薬散布とは?メリット・デメリットを詳しく解説

ドローンを用いた農薬散布とは?メリット・デメリットを詳しく解説

農薬散布は農作業の中でも負担が大きく、労力・時間・安全面など多くの課題がつきものです。

 

こうした状況の中で、作業効率を高める手段として注目されているのがドローンの活用です。

 

ドローンを使用すれば、従来の作業で感じていた負担を大幅に軽減できる可能性があり、近年導入を検討する農業従事者が増えています。

 

この記事では、ドローン散布のメリット・デメリット・注意点をわかりやすく解説します。

 

ドローンによる農薬散布を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。

 

ドローンを使用した農薬散布とは?

ドローンを操縦している人

ドローンを使用した農薬散布とは、無人航空機に薬剤を積み、空から農作物にまく作業のことです。

 

近年、農業では「農業従事者の高齢化」と「人手不足」が深刻化しており、広い農地を管理するだけでも大きな負担になっています。

 

特に、重い農薬を背負って歩きながら散布する従来の方法では、体への負担や時間のかかり過ぎが問題でした。

 

こうした課題を解消する方法として、短時間で広い面積を効率よく散布できるドローンによる農薬散布が注目されています。

 

作業の手間を大幅に減らし、安全性も高められるため、多くの農業従事者が導入を検討するようになっています。

 

農薬散布にドローンを取り入れるメリット

農薬散布は農業で欠かせない作業ですが、時間や体力が必要なうえ、安全面での負担も避けられません。

 

こうした課題を一度に解消してくれるのが、ドローンを活用した農薬散布です。

 

ドローンを取り入れることで作業時間の短縮だけでなく、身体的な負担の軽減・散布精度の向上・安全性の確保など、さまざまなメリットが得られます。

 

ここでは、ドローン散布のメリットを5つ紹介します。

 

1.短時間で散布作業を終えられる

ドローンを使用すれば、農薬散布にかかる時間を大幅に短縮できます。

 

農林水産省の事例では、動力噴霧器で1ヘクタール当たり約2時間かかっていた作業が、ドローンなら15〜30分ほどで完了したと報告されています。

 

短時間で広い範囲をまわれるため、忙しい時期でも作業をスムーズに進められるのが魅力です。

 

2.身体的な負担を大きく減らせる

従来の散布作業は農薬を入れた重い噴霧器を背負い、広い農地を歩き回りながら散布しなければならず、体力面の負担が大きくなる作業でした。

 

さらに、作物を踏まないよう細心の注意を払いながら動く必要もあります。

 

その点、ドローンなら重い機材を持ち運ぶ必要がなく、上空から広い範囲に散布できます。畑の中を歩かないため、作物を傷つける心配もありません。

 

3.ムラのない効率的な散布が可能

ドローンに搭載された自動航行システムでルートを設定すると、機体が決められたとおりに飛行しながら農薬をまいていきます。

 

速度や高度が安定するため、作物全体に均一に散布しやすく、薬剤のムダも出にくいのが特徴です。

 

4.より安全な環境で農薬をまける

ドローンを使用することで、農薬散布の安全性を高められます。従来の散布作業では、防護服を着ていても霧状になった農薬が肌に触れたり、吸い込んでしまったりするリスクがありました。

 

一方、ドローンなら遠隔操作で散布できるため、作業者は農薬から距離を置いて作業できます。薬剤に直接触れる場面が減ることで、より安全な環境で農薬散布を行える点が大きな魅力です。

 

5.農作物管理や害獣対策にも応用できる

ドローンは農薬散布だけでなく、日常的な作物管理や害獣対策にも活躍します。

 

上空から撮影することで、生育のムラや葉色の変化など畑全体の状態を一目で把握でき、病害虫の早期発見にもつながります。

 

さらに、赤外線カメラを搭載すれば夜間の様子も確認でき、機体によってはライトや超音波を使って害獣を追い払うことも可能です。

 

ドローンを使用した農薬散布のデメリット

Demeritと書かれている画像

ドローンを使った農薬散布には多くの利点がありますが、導入前に把握しておきたい点もあります。

 

費用負担の大きさや申請手続きの多さ、日常的なメンテナンスなど、あらかじめ知っておくことでスムーズに運用することが可能です。

 

ここでは、導入前に知っておきたいデメリットを紹介します。

 

費用負担が大きい

農薬散布にドローンを取り入れる場合、機体を購入するか、代行サービスを利用するかのいずれかになります。どちらを選んでも一定の費用がかかります。

 

特に農業用ドローンは機体価格に加えて、バッテリー交換・保険・部品交換などの維持費も発生するため、導入コストは軽視できません。

 

散布前の手続きに手間がかかる

ドローンを使用するには、事前にいくつかの手続きを済ませる必要があります。

 

申請内容が多く、準備に時間がかかりやすいため、書類を早めにそろえておくことが重要です。主な手続きは、次の4つです。

 

機体登録

購入後、ドローン登録システムで機体情報や所有者情報を登録します。

 

飛行許可申請

シーズンごとに国土交通省へ飛行許可・承認申請を行います。

 

飛行計画登録

飛行するたびにFISS(ドローン情報基盤システム)で飛行計画を登録します。必要書類が多く、意外と時間がかかる作業です。

 

代理申請

購入店が手続きを代わりに行うケースもありますが、提出書類の準備などは自分で対応する必要があります。

 

日常的なメンテナンスが欠かせない

ドローンは精密機器のため、定期的なメンテナンスが欠かせません。


タンク・ノズル・ポンプなどの清掃、不凍液の注入、適切な温度・湿度の保管環境の確保など日常的な管理が必要になります。

 

また、農業用ドローンは購入後も定期点検を受ける必要があります。長く安心して使用するためにも、アフターサポートがしっかりした販売店を選ぶことが大切です。

 

農薬散布を行う際に知っておきたい注意点

木のブロックに注意点と書かれている

ドローンによる農薬散布は効率的で便利な方法ですが、安全に作業を進めるためには注意点を理解しておくことが大切です。

 

使用できる農薬が限られていることや、周辺環境への配慮が欠かせない点など、確認すべき事項を把握しておくことでトラブルを防げます。

 

ここでは、ドローン散布で特に気をつけたい注意点を紹介します。

 

使用できる農薬が限られている

ドローンで散布できる農薬は、農薬取締法で認められたものに限られます

 

さらに、作物名・散布時期・使用量・使用方法など細かな基準も守らなければなりません。

 

作物に対応したドローン用の薬剤が販売されていない場合、散布そのものが行えない可能性があります。

 

導入前に、目的の作物で使用できる薬剤があるかどうかを確認しておくことが重要です。

 

周囲への注意が欠かせない

ドローンは霧状の薬剤を空中から散布するため、風の影響を受けやすく、薬剤が周辺に飛散するリスクがあります。

 

近隣で別の作物を育てている場合、飛散した農薬が付着してしまう恐れがあります。特に無農薬や減農薬で栽培している農家が近くにある場合は、細心の注意が必要です。

 

散布時は風向きや気象条件を確認し、周辺環境に配慮しながら作業することが大切です。

 

まとめ

ドローンを活用した農薬散布は、作業時間の短縮や負担軽減など多くのメリットをもたらす一方で、費用や手続き、メンテナンスなど注意すべき点もあります。

 

これらを正しく理解したうえで導入することで、より安全で効率的な農作業につながります。

 

スカイテクノワークスでは、折りたたみ式のドローン(マルチローター)を用いた農薬散布が可能です。

 

コンパクトで小回りがきくため、足を踏み入れにくい場所や狭いスペースの散布も安心して行えます。

 

農薬散布の依頼を検討している方は、ぜひ一度スカイテクノワークスにお問い合わせください。

 

お問い合わせは、こちら

コラム監修者

福永久博
福永久博専務取締役
測量士として25年以上の実務経験を持ち、数多くの公共・民間測量プロジェクトに携わる。
現場で培った確かな測量技術に加え、ドローンを活用した最新の写真測量・3D解析技術にも精通。
1級土木施工管理技士としての知見を生かし、土木現場におけるICTにも積極的に取り組む。

また、UAV写真測量 初級編 POWERED BY KOMATSU SMART CONSTRUCTION インストラクター、P4RTK写真測量インストラクター、JUIDA認定インストラクター、DJI CAMPインストラクターとして、育成にも力を入れている。

そのほか、産業用マルチロータオペレーター技能認定、農薬指導士、米・食味鑑定士、2級陸上特殊無線技士、3級アマチュア無線技士、ICTアドバイザー(九州地方整備局認定)など多数の関連資格を保有。現場経験と教育実績を併せ持つ。