ドローンで除草剤散布はできる?メリットと注意点をわかりやすく解説
除草剤散布は雑草対策に欠かせませんが、圃場の状態や地形によっては作業負担が大きくなります。
近年は農業用ドローンの活用により、従来の方法では散布し辛かった場所にも薬剤を届けやすくなりました。
一方で、安全に散布するには、対応薬剤の確認や飛行に関する手続きを事前に把握しておくことが大切です。
この記事では、ドローンで除草剤を散布するメリットや注意点、必要な手続きについて解説します。
除草剤散布の負担を減らしたい方やドローンの活用を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。
ドローンで除草剤を散布するメリット

農業では雑草の発生を抑え、作物の生育環境を守るために除草剤散布が欠かせません。
しかし、従来の噴霧器や大型機械を使った方法では傾斜地やぬかるんだ圃場で作業しにくく、生産者の負担が大きくなりがちです。
ここでは、ドローンで除草剤を散布することで得られるメリットをわかりやすく紹介します。
傾斜地や複雑な地形にも対応しやすい
斜面のある圃場や形が入り組んだ土地では、従来の散布方法だと作業に手間がかかります。
背負式噴霧機の場合は、足元に注意しながら移動する必要があり、大型のブームスプレーヤーでは進入できる場所が限られることもあります。
一方、ドローンは上空から薬剤を散布できるため、地形の影響を受けにくいのが特徴です。
人や大型機械では、作業しにくい場所にも対応できるため、撒きムラを抑えながら効率よく防除を行えます。
ぬかるんだ圃場でも作業しやすい
雨上がりの圃場や水田では足元がぬかるみ、歩いて移動するだけでも大きな負担になります。
重い機材やタンクを持って作業する場合、体力を使うだけでなく、転倒などのリスクにも注意が必要です。
ドローン散布であれば作業者が圃場の中を歩き回る必要がないため、ぬかるんだ圃場でも上空から散布できます。
大型機械のメンテナンスの負担を減らせる
ブームスプレーヤーなどの大型機械を使用する場合、散布後の洗浄や点検、部品管理など作業後の管理にも時間と労力が必要です。
寒冷地では、冬場にホース内の水が凍結しないよう、不凍液を入れるなどの対策が求められるケースもあります。
こうした維持管理は散布作業そのものとは別に発生するため、生産者にとって見えにくい負担になりがちです。
ドローンを活用すれば大型スプレーヤーに比べて管理する設備を抑えやすく、メンテナンスにかかる時間や維持費の削減にもつながります。
作物へのダメージを抑えられる
人が圃場に入って除草剤を散布する場合、作業中に作物を踏んだりホースや機材に触れたりする可能性があります。
特に生育が進んでいる時期は、少しの接触でも傷みにつながることがあるため、慎重な対応が必要です。
その点、ドローンは上空から薬剤を散布できるため、作業者が圃場内を移動する必要がありません。
踏みつけや機材の接触を避けながら散布できるので、作物へのダメージを抑えやすくなります。
必要な場所に効率よく散布できる
ドローンは、雑草の発生が気になる場所を狙って散布しやすい点も魅力です。必要な箇所に薬剤を届けられるため、無駄な使用量を抑えながら効率よく作業を進められます。
さらに、自動飛行ルートを設定すれば、広い圃場でもスムーズな散布が可能です。
人の手で散布する場合と比べて作業時間を短縮しやすく、生産者の体力的な負担軽減にもつながります。
ドローンによる除草剤散布で知っておくべきリスクと対策

ドローンによる除草剤散布は、作業の効率化や省力化につながる便利な方法です。
一方で、風による薬剤の飛散や薬剤の混在による薬害など、事前に注意しておきたいリスクもあります。
ここでは、ドローンで除草剤を散布する際に知っておきたい注意点を紹介します。
風速と風向きを確認し、薬剤飛散を防ぐ
ドローンで除草剤を散布する際に特に注意したいのが、薬剤が風に流される「ドリフト」です。
風の影響を受けると散布した薬剤が本来の圃場から外れ、隣接する農地や住宅地へ飛散してしまうおそれがあります。
オーガニック栽培を行っている圃場や住宅が近い場所、または蜂箱等の近い場所では、周囲とのトラブルにつながる可能性もあります。
そのため、作業前には必ず風速や風向きを確認しましょう。また、状況に応じて散布高度を低くしたりノズルの噴霧角度を調整したりすることで、薬剤の飛散を抑えやすくなります。
散布後の薬害を防ぐために、薬剤の混在を避ける
農繁期は、複数の圃場で殺虫剤・殺菌剤・除草剤などを続けて使うことがあります。
このとき、散布機やタンクの洗浄が不十分だと前回使った薬剤がタンクや配管に残り、別の薬剤と混ざるおそれがあります。
特に除草剤が残っている場合、その後に薬剤を散布した作物に薬害が出て、枯れや生育不良につながりかねません。
こうしたリスクを防ぐには、除草剤と殺虫剤・殺菌剤で使用する散布方法を分けることが大切です。
たとえば、除草剤をドローンで散布後、個別で殺虫剤や殺菌剤をドローンで散布するなど薬剤の混合をさけて行うことにより薬害を防ぎやすくなります。
ドローンで除草剤を散布するために必要な手続き
ドローンで除草剤を散布する場合は、航空法や農薬取締法など、関係するルールの確認が必要です。
必要な手続きを行わないまま散布すると、法令違反や周囲とのトラブルにつながるおそれがあります。
ここでは、ドローンで除草剤を散布する前に確認しておきたい手続きを解説します。
航空法に基づく飛行許可・承認申請を行う
ドローンによる農薬散布は、航空法上の「危険物輸送」や「物件投下」に該当します。そのため、散布を行う前に国土交通省へ飛行許可・承認申請を行う必要があります。
申請は、飛行開始予定日の10開庁日前までに、管轄の空港事務所や地方航空局へ提出するのが基本です。
また、許可・承認を受けるには操縦者の飛行経験や、農薬・水などを使った物件投下の経験が求められます。
具体的には、10時間以上の飛行経験や、5回以上の物件投下経験などが条件とされています。
農薬取締法に基づき、使用基準を守る
ドローンで除草剤を散布する場合は、航空法だけでなく、農薬取締法のルールも守らなければなりません。
使用する除草剤には、対象となる作物や使用できる時期・希釈倍率・使用量などが細かく定められています。
散布前には必ずラベルの内容を確認し、決められた使用基準に沿って作業を行うことが大切です。使用方法を誤ると、作物への薬害や周辺環境への影響につながるおそれがあります。
まとめ

ドローンによる除草剤散布は、傾斜地やぬかるんだ圃場でも作業しやすく、生産者の負担を軽減できる方法です。
圃場内を歩き回らずに散布できるため、作物への接触を抑えながら必要な場所に薬剤を届けやすくなります。
ただし、風による薬剤の飛散やタンク内に残った薬剤による薬害には注意が必要です。
また、ドローンで除草剤を散布する際は、航空法や農薬取締法に関するルールも事前に確認しておきましょう。
スカイテクノワークスでは、農業用ドローンの操作や活用方法を学べるドローンスクールを行っています。
ドローン散布の基礎から安全な運用方法まで学びたい方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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コラム監修者

- 専務取締役
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測量士として25年以上の実務経験を持ち、数多くの公共・民間測量プロジェクトに携わる。
現場で培った確かな測量技術に加え、ドローンを活用した最新の写真測量・3D解析技術にも精通。
1級土木施工管理技士としての知見を生かし、土木現場におけるICTにも積極的に取り組む。
また、UAV写真測量 初級編 POWERED BY KOMATSU SMART CONSTRUCTION インストラクター、P4RTK写真測量インストラクター、JUIDA認定インストラクター、DJI CAMPインストラクターとして、育成にも力を入れている。
そのほか、産業用マルチロータオペレーター技能認定、農薬指導士、米・食味鑑定士、2級陸上特殊無線技士、3級アマチュア無線技士、ICTアドバイザー(九州地方整備局認定)など多数の関連資格を保有。現場経験と教育実績を併せ持つ。
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