ドローンの目視外飛行とは?許可要件と国家資格の取得メリットを解説
ドローンを遠くの現場や障害物の向こう側へ飛ばしたいとき、「この飛ばし方は法律に違反していないか」と不安になったことはありませんか。
目視外飛行は、インフラ点検や広範囲の空撮に欠かせない技術ですが、航空法によって厳しく規制されている点に注意が必要です。
この記事では、目視外飛行の定義から規制の内容、許可申請の条件、国家資格との関係を紹介します。
ドローンの目視外飛行とは?基本の定義と該当ケース

まずは目視外飛行がどのような状態を指すのか、正確な定義を押さえておきましょう。
該当する具体的なシーンも解説します。
目視外飛行の定義と操縦者に求められる基準
航空法上、ドローンの目視外飛行とは、操縦者が無人航空機を直接目視できない状態で飛行させることを指します。
操縦者自身の目で機体を捉えられず、補助者からの連絡やカメラ映像だけを頼る状態も対象という点にも注意が必要です。
見通しの利かない場所へ機体を飛ばす場合だけでなく、モニター画面に集中して機体そのものから視線を外している状況も含まれます。
操縦者の技能と安全体制が整っているかどうかは、後述する許可申請の審査でも重視されるポイントです。
目視外飛行に該当する具体的なシーン
実際の業務や訓練の現場では、次のような状況が目視外飛行に該当します。
操縦者から遠く離れており肉眼で機体を確認できない状態での飛行、手元のモニター映像のみを頼りに行うインフラ点検や空撮の操縦、FPVゴーグルを装着して映像を見ながら操縦するFPV飛行などが代表的な例です。
ただし、目視外飛行だからといって、必ず許可・承認が必要になるわけではありません。
機体の重量や安全対策など、一定の条件を満たすことで申請が不要となるケースもあるため、詳しくは許可条件を確認しておくと安心です。
航空法における規制内容と罰則
目視外飛行がどのように扱われているのか、押さえておきましょう。
無許可で飛行した場合の罰則についても紹介します。
目視外飛行に適用される飛行カテゴリー
では、目視外飛行は制度上どのように区分されているのでしょうか。
現在の制度では、飛行のリスクに応じてカテゴリーⅠ・Ⅱ・Ⅲの3つに分類され、それぞれ必要な手続きが定められています。
このうちカテゴリーⅡは、目視外飛行や夜間飛行など、個別に許可・承認を受ける必要がある飛行を含む区分です。
特に、第三者の上空を補助者なしで飛行するレベル4飛行はカテゴリーⅢに分類され、一等資格や第一種機体認証など、より厳格な要件が求められます。
無許可飛行に科される罰則
国土交通大臣の許可や承認を受けずに、規制対象となる飛行区域・方法で目視外飛行をした場合、航空法違反として法的な処罰の対象になります。
具体的には、50万円以下の罰金が定められており、企業として業務中に違反した場合は社会的信用の失墜にもつながりかねません。
罰則の対象になるかどうかは飛行エリアや機体の重量など、機種によって判断が分かれる場合がある点も踏まえておきましょう。
うっかりミスを防ぐためにも、飛行計画の段階から許可の要否を確認しておくことが重要です。
許可申請に必要な条件と手続きの流れ

目視外飛行を合法的に進めるには、適切な許可・承認申請の手続きが欠かせません。
申請時に求められる条件と、代表的な申請方法を紹介します。
許可・承認の要否を判断するポイント
許可・承認の要否は、機体の重量や安全対策など、いくつかの条件によって変わってきます。
代表的な条件として、周囲への立入りを制限する立入管理措置、操縦者の無人航空機操縦者技能証明、機体認証、総重量25kg未満などです。
一定の条件を満たし、安全確保の措置を講じている場合は、許可・承認が不要になるケースもあります。
ただし、飛行する空域や飛行方法によって別途要件が定められているため、飛行前に必要な手続きを確認することが重要です。
許可・承認が必要な飛行をする場合は、国土交通省の「ドローン情報基盤システム(DIPS2.0)」を利用して申請しましょう。
個別申請と包括申請の違い
飛行許可の申請方法には、特定の日時や場所を指定する個別申請と、一定期間に行う複数回の飛行をまとめて申請する包括申請の2種類があります。
それぞれの特徴を、次の表で見てみましょう。
| 項目 | 個別申請 | 包括申請 |
|---|---|---|
| 対象範囲 | 特定の日時・場所 | 一定の条件における複数回の飛行 |
| 向いている用途 | 単発の撮影や点検 | 継続的な撮影や点検 |
| 特徴 | 飛行内容を具体的に指定 | 条件の範囲内で複数回の飛行に対応 |
飛行のカテゴリーによって手続きは異なるため、「目視外飛行なら包括申請」と単純には考えられません。
自社の運用スタイルに合わせて、どちらの申請方法が適しているか検討しておきましょう。
許可・承認後に必要な運航ルール
許可・承認を受けたとしても、それで手続きがすべて終わるわけではありません。
特定飛行をする際には、飛行計画の通報や飛行日誌の記載など、別途必要な運航ルールが定められています。
こうした記録を怠ると、思わぬトラブルにつながりかねません。
資格取得によって得られるメリット
目視外飛行をするうえで、国家資格の有無は運用の効率や安全性に関わる重要な要素です。
資格取得によって得られる具体的なメリットを紹介します。
技能証明の限定変更と目視外飛行
無人航空機操縦者技能証明には、飛行方法などに関する限定が設けられているのが基本です。
限定変更をすることで、昼間飛行に加えて夜間飛行、目視内飛行に加えて目視外飛行などが可能になります。
そのため、業務として目視外飛行に取り組む場合は、国家資格に加えて目視外飛行の限定変更まで取得しておきたいところです。
なお、前述のレベル4飛行のように補助者を置かずに第三者の上空を飛行する場合は、一等資格と第一種機体認証の組み合わせが必要になる点も押さえておきましょう。
資格取得だけでは不要にならない許可・承認
国家資格を取得すれば、どのような目視外飛行でも許可・承認が不要になるわけではありません。
飛行する場所、機体の重量、機体認証の有無、第三者の上空を飛行するかどうかで、必要な手続きは変わります。
それでも国家資格は、操縦者の技術と知識を客観的に証明する手段として役立つでしょう。
外壁点検や空撮の依頼を受ける事業者にとっても、資格を持つ操縦者が在籍していることは大きな安心材料になります。
まとめ

ドローンの目視外飛行は、インフラ点検や広範囲の空撮に欠かせない技術である一方、カテゴリーに応じた許可・承認や技能証明の限定変更などが求められます。
無許可での飛行は罰則の対象となるため、正確な制度を理解し、必要な手続きを踏んでおきたいところです。
ただ、許可申請の条件や資格制度は複雑で、自己判断だけで進めるのは難しいと感じる方も多いのではないでしょうか。
そうした場合は、専門的な知識を持つプロのサポートを受けることで、安心して目視外飛行に取り組めるはずです。
スカイテクノワークスでは、目視外飛行に対応した国家資格の取得を目指せるドローンスクールを運営しており、限定変更に必要な知識と技能を基礎から学べる体制を整えています。
これから資格取得を目指す方も、すでに事業でドローンを活用している方も、お気軽にご相談ください。
お問い合わせはこちら
コラム監修者

- 専務取締役
-
測量士として25年以上の実務経験を持ち、数多くの公共・民間測量プロジェクトに携わる。
現場で培った確かな測量技術に加え、ドローンを活用した最新の写真測量・3D解析技術にも精通。
1級土木施工管理技士としての知見を生かし、土木現場におけるICTにも積極的に取り組む。
また、UAV写真測量 初級編 POWERED BY KOMATSU SMART CONSTRUCTION インストラクター、P4RTK写真測量インストラクター、JUIDA認定インストラクター、DJI CAMPインストラクターとして、育成にも力を入れている。
そのほか、産業用マルチロータオペレーター技能認定、農薬指導士、米・食味鑑定士、2級陸上特殊無線技士、3級アマチュア無線技士、ICTアドバイザー(九州地方整備局認定)など多数の関連資格を保有。現場経験と教育実績を併せ持つ。
最新の投稿
床下点検10月 2, 2026ドローンの目視外飛行とは?許可要件と国家資格の取得メリットを解説
ドローン9月 25, 2026ドローン測量によるオルソ画像とは?作成手順と活用法を徹底解説
床下点検9月 18, 2026測量用ドローンとは?価格相場とおすすめの機種・選び方を徹底解説
床下点検9月 11, 2026ドローンスクールの費用相場と内訳|資格別の受講料と抑え方を解説